「新装オープン」

いらっしゃい。

今回が口開け。つまり、その…、新装オープン。と言っても、以前、他のサイトで公開していた日記が中断したので、今回はリニューアルオープンってとこ。今は店(ブログ)の中にはナニもない。カウンターがわりの掲示板も、ホステス代わりのチャットも、只今準備中(?)。いや、女のコを置くほどの店じゃないので、ずっとシステムの準備中が続くかもしれないけれど、とりあえず看板に明かりを入れたってとこ。だからあまりこの店に期待されても、何も出ないかも。

この間、取材を兼ねて六本木を彷徨う。六本木はキャバクラ全盛。外人パブ全盛。で、六本木常連組は熱く語る。えっ、何を語るかって。それはもう店の娘の話ばかり。六本木の重力源は女のコ。女のコに合わせて客が店を渡り歩く。新宿育ちのこちらとしては何となく落ち着かない。ただ素通りするのも何だから、地下の外人パブに顔を出す。K-1ボブ・サップのような見るからに周囲を威圧するボディガード兼ドアボーイが白い歯を見せて招き入れる。天井から見下ろす彼の笑顔を見ただけで、客はひとつ賢明になる。目が飛び出すような請求書を突きつけられても、笑顔で払おう。
中に入ると、いきなり黒スーツが声を掛けてくる。
ガイジンですか?ニホンジンですか? 
えっ、私は日本人です、なんてボケてはいられない。ガ?‥と発音しただけで、妖しいステージの、奥に連れて行かれる。
ご指名は‥。
ア‥の‥。
アンナ、OK。
えっ、誰‥。
てな具合に日本に着たばかりのアンナが狭いボックスに座っている。アンナは日本語を理解できない。英語も心細い、というよりほとんどダメ。こちらはロシア語はチンプンカンプン。このような場合、日本語を話せるロシア人ホステスがヘルプについてくれないと、砂漠で迷子になった気分を味わう。で、ヘルプみー。大女が現れる。
うん、ヒールが高いのか?
ふくよかな肉体がキュートなドレスを風船のように膨張させている。大女はアンナに目もやらず、何も知らない当方に店のグチを大声で説明してくれる。アンナは二十歳ぐらい、ほとんど無感動な表情で座っている。大女のグチと二十歳の無感動、全く共感のない空間で独りグラスを傾けていると、自分がぼんやりと見えてくる。大声では言えないが、金髪大好き。